川端康成の『雪国』は青空文庫にある？ない？その真相

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった…」この有名な出だしではじまるのが、昭和の日本を代表する川端康成の名作『雪国』です。

　『雪国』は、その美しい描写と切ない物語で多くの読者を魅了してきました。

　「青空文庫」は、著作権保護期間を経過した文学作品、約17,000件を公開しているサイトとして有名ですが、ここには『雪国』は未掲載となっています。

　日本を代表する文学作品であるにもかかわらず、「どうしてだろう？」と不思議に思われた方も多いのではないでしょうか。

　ここからは、なぜ、青空文庫に『雪国』が掲載されていないのか、その理由を詳しく解説していきます。それから、名作『雪国』を楽しむための、少し変わった味わい方（オススメです！）についても、ご紹介したいと思います。

『雪国』のあらすじと魅力

　『雪国』は、東京から新潟県の雪深い温泉地を訪れる主人公、島村と、そこで出会う美しい芸者、駒子との淡い恋愛を描いた物語です。

　物語は、島村が列車で雪国に向かうシーンから始まり、厳しい自然環境の中での人々の生活や心の動きを繊細に描いています。

　島村は、駒子との再会を望みながらも、東京と雪国を行き来し、次第に彼女との関係を深めていきます。

　しかし、二人の間にはどうしても越えられない距離感があり、その切なさと美しさが作品の魅力となっています。

　川端康成の描写は非常に美しく、特に雪景色の描写は読者を魅了します。作品全体に漂う静謐な雰囲気と、儚い恋の物語は、多くの人々の心に深く響きます。

　『雪国』はその文学的価値が高く評価され、数々の賞を受賞しています。

　特に1947年には第一回読売文学賞を受賞しました。

　この賞は、日本の文学界で非常に権威のある賞であり『雪国』の文学的価値を示すものです。

　また、川端康成自身も1968年に日本人として初めてノーベル文学賞を受賞しました。このノーベル賞は、『雪国』をはじめとする彼の作品全体が評価された結果です。

　まず、青空文庫について簡単に説明します。

　青空文庫は1997年に設立され、非営利団体によって運営されています。

　青空文庫の最大の特徴は、誰でも自由にアクセスできることです。

　ここでは、著作権が切れた日本の古典文学を中心に、多くの作品が無料で公開されています。

　青空文庫の目的は、著作権保護期間が終了した作品をインターネット上で自由に閲覧・ダウンロードできるようにすることで、文学作品の普及と保存を図ることです。

　青空文庫の詳細なガイドは、以下のリンクから確認できます。
青空文庫早わかり

　では、なぜ『雪国』は青空文庫で読めないのでしょうか？

　その理由は著作権法にあります。

　川端康成は1972年に亡くなりましたが、日本の著作権法では著者の死後70年間著作権が保護されます。

　つまり、川端康成の作品は2043年まで著作権が有効です。

　したがって『雪国』は現在、青空文庫に掲載されていないのです。

　『雪国』を読みたい場合、他の方法があります。

　まず、書店やオンライン書店で書籍として購入することができます。紙の本はもちろん、電子書籍ならクーポンを使って格安で提供されていることがあります。

　『雪国』を楽しむもう一つの方法として、オーディブルでのオーディオブックが挙げられます。

　オーディブルは、音声で本を聴くことができるサービスで、忙しい現代人にぴったりです。通勤や家事の合間など、手が空いていなくても耳で楽しむことができます。

　私も聴いてみたのですが、榊原忠美さんのナレーションは本当に素晴らしかったです（低く落ち着いたバリトンボイスで、眼福ならぬ耳福を感じられますよ！）。

　彼の声は作品に新たな命を吹き込み、川端康成の美しい文章と情景描写を耳で感じることができ、より深い感動を味わうことができました。

　プロの声優や俳優による朗読は、読書とはまた違った楽しみ方を提供してくれます。

　さらに、今ならオーディブルは30日間無料で試せるキャンペーンを実施しています。この期間を利用して、『雪国』をはじめとする多くの名作を聴いてみてはいかがでしょうか。