「坂口安吾の『堕落論』ってどんな話なの？」と疑問に思ったことはありませんか？
人間の弱さや変わりやすさを描くこのエッセイは、戦後の日本社会や人々の心の変化について深く考察しています。
『堕落論』における「堕落」という言葉の意味を知りたい、わかりやすく解説してほしいというあなたのために、この記事では、中学生でも理解できるように、シンプルで優しい言葉で解説していきます。
安吾の言う「堕落」という言葉が持つ意味を知ることは、あなた自身の生き方にも新たな視点を持つことができるでしょう。
戦後の日本社会を通じて、人間の本質を見つめ直すきっかけになれば幸いです。
坂口安吾の『堕落論』をわかりやすく解説
『堕落論』は、坂口安吾が戦後の日本社会や人々の心の変化について書いたエッセイです。
戦争が終わった後、人々がどのように変わっていくのかを、安吾は独自の視点で考察しています。
戦争と人間の変化
- 戦争が終わると、人々の心も変わっていくことを述べています。戦時中に若者たちは国のために命を捧げましたが、戦後は生き残った人々が日常に戻っていきます。
- 長い戦争が終わり、天皇を頂点とした政治体制からアメリカを中心とした占領体制に変わるや否や、大人たちは、国のために命を捧げた若者たちを批判するなど態度を急変させました。
- そういう変わり身の早い大人たちに、若者たちは絶望したのでした。何を信じて良いかわからない、そんな世相の中で、坂口安吾は真剣に生きてきた若者ほど、この今を「堕落している」と感じているだろう、「それで良いのだ」と語りかけたのです。
- 感じたまま、想いのままに、心の底から自分の本音に向き合い、前へ進むよう述べたのでした。
堕落とは何か？！
- 安吾は「堕落」という言葉を、ただ悪いことや不道徳なこととしてではなく、人間が本来持つ弱さや変わりやすさの一部として捉えています。堕落は人間が避けられないものであり、そこに美しさや真実があると述べています。
美しさと現実
- 美しいものを美しいままで保ちたいという気持ちはあるけれども、それは現実には難しいと述べています。人間は変わりやすく、純粋な状態を保つことはできないという現実を受け入れなければならないと説いています。
人間の本質
- 人間は弱くて愚かであり、堕落する生き物だとしています。しかし、その弱さや愚かさを含めて、人間の本質を理解し、受け入れることが大切だと述べています。
戦争の影響
- 戦争中と戦後の人々の行動や心情の変化について具体的なエピソードを通じて説明しています。戦時中の混乱と戦後の堕落を比較しながら、人間の強さと弱さを描いています。
『堕落論』をわかりやすく解説すると
坂口安吾の『堕落論』は、戦争が終わった後、人々がどのように変わっていくのかを考えた文章です。
戦争中はみな辛抱し生きることに懸命でした。一方、戦後は価値観も秩序も崩壊したような状態になり、平然と法を犯す者も現れました。
そのような状態は、まるで戦争中の官憲や世間体に押さえつけられた窮屈な状態こそが「堕落していない、秩序ある世界だった」と錯覚するほどの変わりようだったのです。
でも、それは違う。戦争中の抑圧された世界は人間の本来の姿を失わされた偽りの世界であり、そこで生きていた人間は、ただ本音を言えなかった偽りの姿だったと安吾は主張します。戦後の自分の本能のままに振舞う「堕落した姿」こそ、人間の本当の姿だと主張したのです。
安吾は、人間は誰でも弱くて変わりやすい生き物であり、それが悪いことではなく、人間らしいことだと考え、大人の変わり身の早さに絶望していた当時の若者たちに生きる指針を与えたのでした。
この文章を通じて、安吾は人間の弱さや変わりやすさを受け入れることの大切さを教えてくれます。
この作品は、今の時代に生きる私たちにとっても、大切な教訓を含んでいます。
ぜひ一度『堕落論』を読んで、坂口安吾が伝えたいメッセージを感じてみてください。
ここからは、文学作品をより効率的・効果的に味わうための２つの方法を紹介します。
名作を『漫画』で味わう方法
あなたは「文学作品は活字で読むもの」と考えていませんか？
でも、今の若いあなたには、活字よりも漫画を読むほうが、親しみやすいかもしれません。
また、文学作品と言っても、著名な作品のタイトルは知っていても、内容を知らないこともあるかもしれません。
そんな時は「漫画で読む」ことをオススメします！
文学作品を漫画で読むメリットは、イラストがあるため難解な文学作品でもイメージしやすいことです。
こちらは、あの有名な妖怪漫画家・水木しげるさんの絵に似ていますが、ドリヤス工場さんの漫画です。
この漫画には『堕落論』を含む25作品が収録されており、1作品あたり約10ページと非常にコンパクトです。文学に馴染みのない方でも読みやすく、親しみやすい絵柄で文学作品を楽しめる1冊となっています。
漫画を読んで概要を掴んでから小説を読むと、すっと入り込めますよ！
こちらも、オススメです！
読書が楽しくなる！もうひとつの方法とは？！
多くの人にとって『堕落論』は、その「堕落」という言葉が与える印象から、「どんな内容なのだろうか？」と興味を惹かれる作品だと思います。
そんな有名作品である「堕落論」ですが、活字や漫画で読むこととは異なる、もうひとつの味わい方をご存じですか？
それは、物語を「耳で聴く」というものです。
まだ字が読めない幼い子どもたちにとって、耳からたくさんの豊かなことばを聴くことが、その子の将来によい影響をあたえることは、多くの学者が指摘しています。
ゲームやアニメにかこまれた子どもたちに、いいお話を聞かせることは、豊かな心を育てることでもあるのです。
私が初めて物語を「耳で聴く」というものを体験したのは、今から約20数年前の大学時代のこと。石川県金沢市にある「室生犀星記念館」で、ヘッドホンを使って、室生犀星の作品をナレーションで静かに聴いた時でした。
普通、読書というのは「文字を目で読む」ことによって、目から入った文字情報をアタマの中で映像に変換してその内容を理解していくものです。
しかし、ここで体験した文学を「耳で聴く」ことは、目を閉じてあたかも音楽を聴くような感覚で文学を楽しむことができる、本当に新鮮で衝撃的な体験でした。
今で言うと「癒し」という感覚に近いと思います。目を閉じてリラックスした状態で良質な文学などの作品を味わうことができるため、作品の世界の中に驚くほど引き込まれます。
しかし、残念なことに、当時はそのような「文学を耳で楽しむ」方法や媒体は、かなり高価な金額を出さないと体験できないものでした…。
そして、現在。今ではオンラインで安価にそれを体験できる時代になっていることを私は知りました（驚）。
オーディブルは、本を聴くための素晴らしいツールです。オーディブルには、さまざまなジャンルの本がそろっています。自分の興味に合った本を見つけることができます。
そして、いつでもどこでも本を楽しむことができます。耳で聴くことで、目を休めながら物語に没入できます。
さらに、聴き逃した部分やもう一度聴きたい部分を簡単に再生することができるので、物語の理解を深めるのに役立ちます。
今なら30日間無料で聴くことができます。ぜひ、オーディブルを活用して、楽しくて充実した読書体験をしてみてください！