すずめの戸締まりで、ダイジンの目的やサダイジンとの関係は何でしょうか?
ダイジンの目的は自由を満喫し、すずめと遊びたいという純粋な思いだけだったのでしょうか?
草太は最後に人間に戻ることができましたが、ダイジンは要石に戻りました。なんだか見ていて、ダイジンが可哀想でした。
しかし私は映画を見た後に小説を読んで、ダイジンの本当の目的がわかったような気がしました。
このブログでは、ダイジンとサダイジンに焦点を当て、ダイジンとサダイジンの関係や正体、目的は何なのか?について考察していきます。
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左大臣(さだいじん)と大臣(だいじん)って?
そもそも、左大臣(さだいじん)と大臣(だいじん)とは何でしょうか?簡単に見てみましょう。
「左大臣」と「大臣」は、日本の古代から中世にかけての官職の呼称です。これらは、日本の律令制度に基づく政府の構造の中で、非常に重要な地位を占めていました。
左大臣(さだいじん)
昔の日本で一番大切な仕事のひとつで、天皇のすぐ下の立場でした。左大臣は、国の大切な決定をするときにとても重要な役割を果たしていました。その名前の「左」は、昔の宮中で左側に席があったことからきています。
大臣(だいじん)
大臣という言葉は、一般に国の大切な仕事をする人たちを指します。でも「左大臣」と「右大臣」を合わせて「大臣」と呼ぶこともあります。
「左大臣」と「右大臣」を比べると、左大臣が右大臣より上の地位にありました。
昔の日本では、左をより尊いと考える文化があったため、左大臣の方が右大臣よりも高い地位とされていました。このため、左大臣は国の中でとても重要な決定をする役割を持ち、天皇のすぐ下の立場として国を管理する重要な仕事をしていました。
このことから、ダイジン(白猫)よりサダイジン(黒猫)の方が、上の地位にあることがわかります。
さらに、草太の祖父、宗像羊郎(むなかたひつじろう)も病室を訪れた猫(サダイジン)に対して「お久しゅうございます。」と敬語で話しています。
ダイジン(白猫)とサダイジン(黒猫)の目的は?
「すずめの戸締まり」におけるダイジンとサダイジンは、互いに対をなす存在として描かれています。
ダイジン(白猫)の目的は?
ダイジンは元々要石の中で封印されていた神様で、主人公のすずめによって封印が解かれた後に猫の姿をとります。ダイジンの目的は自由を満喫し、すずめと遊びたいという純粋な願いに基づいていましたが…。
サダイジン(黒猫)の目的は?
一方、サダイジンは九州に祀られていたダイジンと対をなす「東の要石」としての役割を持ち、東京都千代田区の皇居の地下深くで祀られていました。
サダイジンの正体は?なぜ要石から抜け出せた?
2つの要石で、日本を災いから守っていたのですが、ダイジンが封印から解かれたことで、サダイジンは災いを一人で抑えることが困難になり、災いの力の前に屈してしまいます。
草太も関東で起こった大きな地震の後に「抜けたんだ、二つ目の要石が」と言っています。
🚪キャラクター紹介🚪
— 映画『すずめの戸締まり』公式 (@suzume_tojimari) October 6, 2022
🗝宗像羊朗(むなかたひつじろう)
ーー #松本白鸚
草太の祖父。
閉じ師の師匠でもあるが、
現在は東京の病院に入院している。https://t.co/iBajsy41pA#すずめの戸締まり#新海誠#11月11日公開 pic.twitter.com/6l1u5kNA58
草太の祖父、宗像羊朗(むなかたひつじろう)もサダイジンに対して「抜けてしまわれてしまいましたか」と言っています。
しかし、要石の役割を失っていたサダイジンですが、その後は、すずめの旅に力を貸し、最終的には「猛き大大神(たけきおおおおかみ)」としての真の姿をあらわにして、現世に出ようとする災いに立ち向かいます。
ダイジンとサダイジンの関係は?親子なの?
ここからは考察ですが、ダイジンとサダイジンは親子ではないかと思います。
その理由を見てみましょう。
ダイジンは8歳のこども?
【山根あん】情報解禁‼︎#新海誠監督 最新作 映画「すずめの戸締まり」#山根あん:ダイジン役で声の出演!!
— テアトルアカデミー (@theatreacademy) October 26, 2022
11月11日(金)全国ロードショー🎬
公開をお楽しみに!#すずめの戸締まり #ダイジン pic.twitter.com/0jyZWbhCM2
作品の登場人物と、同じ歳くらいの人を声優に起用することが多いといわれている新海監督。ダイジンの声優、山根あんさんは当時8歳でした。
新海誠監督はインタビューで「幼い頃のすずめなど子供の登場人物はすべて子役の方に演じてもらいました。」とおっしゃっています。
そして初めて、すずめがダイジンを見た時にも「仔猫だった」と表現されています。
窓際に小さなシルエットがあった。出窓の手すりにちょこんと座っているのは、仔猫だった。
引用元 すずめの戸締まり 新海誠 KADOKAWA
ダイジンが「すずめ やさしい すき」と言った言葉に「幼い子供のようなたどたどしい声」とも表現されています。
要石(ダイジン)というのは、言ってみれば、災いから人々を守る人柱(ひとばしら)のようなものですが、つまり、その人柱が、人間で言うと8歳くらい女の子であったのではないかと考察します。
8歳の女の子が人柱にされたと思うとなんだか、とってもかわいそうな気がします。
だから、初めてすずめに会った時に、すずめにかわいがってもらいたいと思ったのかもしれませんね。
サダイジンは女性の神様?!
8歳の女の子が白猫という仮の姿で現世に出て来たのが「ダイジン」。では、サダイジン(黒猫)は、何者なんでしょうか。
サダイジン(黒猫)が環に憑依した時、ダイジン(白い仔猫)がうなり声を上げて車から飛び降ります。
白い仔猫は、駐車場の地面を蹴り、巨大な黒猫の顔に躊躇なく飛びかかります。
その後、小説には、黒猫が「女の悲鳴のような高い声を上げ、二匹は揉み合う」と記載されています。
このことから、サダイジンは成年の女性であることがわかります。この女性も人柱(ひとばしら)として要石になった者だったのではないかと考察します。
ダイジンとサダイジンの関係は?
真っ黒い毛並みに緑色の目をした大型の黒猫と、白い毛並みで黄色い目をした痩せた仔猫。
サダイジンは右目の縁が白く、ダイジンは左目の縁が黒いです。特徴が似ていると思いませんか?これは遺伝、つまり親子であるがゆえなのではないかと思います。
それを裏付けるかのように、小説には、さらに下記のような記載があります。
ダイジンは首根っこをくわえられ、黒猫の顔の下でぶらぶらと左右に揺れている。まるで親猫と仔猫だった。二匹は同じ場所から来たんだと、私はなぜかふと思った。
引用元 すずめの戸締まり 新海誠 KADOKAWA
後部座席の片側シートを埋めるサイズの黒猫が、喉を鳴らしながら白い仔猫の毛繕いをしている。
揉み合って争っていた2匹の猫が、その後、気持ちを通い合わせるように、黒猫が白猫の毛繕いを始めるのです。それは、親猫が仔猫の毛繕いをして愛情を表すような姿です。
そして、仔猫が喉を鳴らしているのは、幸福を感じているサインでしょう。
おそらく、ダイジン(白い仔猫)とサダイジン(黒猫)は、人柱になる前は親子だったのではないかと考察します。
遠い昔に要石として人柱(ひとばしら)となった、母と幼子。役目から逃げ出した幼子(白い仔猫)に、厳しく当たった母親(黒猫)も、やはり親子であるし母と子。
母は、幼子の寂しさを理解して、優しく包み込んであげたのでしょう。
この「要石」という人柱(ひとばしら)について、草太の祖父、宗像羊朗は病室に来たすずめに対して、要石についてこのように説明しています。
草太はこれから何十年もかけ、神を宿した要石になっていく。あなたには分らんだろうが、それは人の身には望み得ぬほどの誉れなのだよ。草太は不出来な弟子だったが、そうか、最後に覚悟を示したか…。
引用元 すずめの戸締まり 新海誠 KADOKAWA
ダイジン(白い仔猫)の正体が、要石となった幼い女の子ならば、要石になる時も、草太のような「要石になる覚悟」ができていなかったとしても不思議ではありません。
覚悟ができていないまま、8歳で要石になったダイジン、要石になった後は何百年と災いから人々を守りつづける…。
しかし、その土地が廃墟になったあとは、自分のことなどみんな忘れてしまうのです。それは、8歳の子どもにとって、この上なく、寂しいことであったのかもしれません…。
ダイジンはかわいそう…でも本当の理由は?
そんな時に、すずめが現れ、ダイジンは要石としての役割から解放されて、白い仔猫の姿になり自由になれました。
ダイジンの真の目的は、すずめと遊びたかった(子どもですから、それもあったかもしれませんが…)訳ではなく、もうひとつの要石となっていたサダイジン(母親)に会いたかったのではないでしょうか?
そのためにサダイジン(母親)がいる東へ東へと向かって行った…そう思えて来ます。
その旅の途中途中で、「後ろ戸」が開いて行きますが、ダイジンが後ろ戸を開けていたのではなく、開いてしまいそうな「後ろ戸」の場所に、ダイジンがすずめを案内していたことが、小説でも書かれており判明します。
映画を見ていると、一見すると非常に感じの悪い仔猫に見えますが、要石の役割を忘れたわけではなく、災いを防ぐために奮闘するすずめを導く、健気で良い子だったのではないかと思います。
しかも、このダイジンの東へ東へと進む旅路は「お母さんと会いたい」という気持ちを持つ、すずめの気持ちとリンクしているのです。う~ん、二重構造の物語になっているのですね。
良くできていますし、2組の母子の切ない物語なのだということがわかります。
ダイジンとサダイジン(環(たまき)に憑依した時)はケンカをしています。
すずめと環(たまき)の親子ゲンカのようで、もう1つ、ダイジンとサダイジンの親子ゲンカが実はダブっているのです。
おそらく、この時、サダイジンはダイジンをしかりつつ、再び2人で要石に戻るように諭したのでないかと思います。
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あんなに自由奔放に遊び回って「人がたくさん死んじゃうね」とか言ってたダイジンも、サダイジンと会った後は「すずめのてで もとにもどして」と本来の要石に戻る決心を固めたかのように、素直に言っています。
最後は、サダイジンと共に要石になっていくダイジンがかわいそうに見えるほどでしたが、覚悟を決めたダイジンに、私は涙があふれました。
要石になることが「人の身には望み得ぬほどの誉れ」ならば、サダイジン(母親)と共に同じ地で再び要石になれたことで、ダイジンは寂しさから逃れ、その想いが報われたのかもしれません。
このように、小説版では、映画版では見逃してしまいそうな描写が、すべてではありませんが物語の秘密を解き明かすヒントのように書かれています。
新海誠監督も「映画を見て、小説も読んでもらったら、読んでない状態と比べて2倍も3倍も楽しんでもらえる!」と、コメントしているほどです(笑)。
ちなみに、小説版「すずめの戸締まり」はオリコン週間文庫ランキング初登場1位を獲得し、実際に大きな話題となりました。監督のコメントの効果は凄いですね。
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