かがみの孤城スバルが学校に行けない理由とは？マサムネと名前に隠された伏線！

　かがみの孤城のスバルが学校に行けない理由は何でしょうか？

　スバルが髪を染めたり、学校に行けない理由が、映画では詳しく描かれていませんが、その映画では描かれていない過程が「かがみの孤城」の原作や漫画では、とても詳しく丁寧に描かれています。

　そこが、この原作や漫画の大きな見どころだと感じられますので、ぜひチェックしてみてください。映画で感動したというあなたなら、もっと感動すると思いますよ。

　この記事では、スバルの内面に焦点を当て、彼が直面する心の問題と、それが「かがみの孤城」の物語にどのように組み込まれているのかを詳しく見て行きます。

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かがみの孤城での7人の時代は？

　「かがみの孤城」は【時間を超越した城】だとオオカミさまは言います。

　7人はパラレルワールドではなく、違う時代から来ていたのです。

　「かがみの孤城」に集められた7人がいつの時代を生きているのかを見てみましょう。

名前	時代	生年
スバル	1985年	1969年
アキ	1992年	1976年
こころ	2006年	1992年
リオン	2006年	1992年
マサムネ	2013年	1998年
フウカ	2020年	2005年
ウレシノ	2027年	2013年

　7人の中で昭和から来たのはスバルだけ。昭和生まれなのもスバルとアキのふたりのみです。さらにスバルは、あと10年ちょっとで世界が終わるかも知れないと言っていたのは「ノストラダムスの大予言」の話だったんですね。

スバルが学校に行けない理由とは？

　そんなスバルですが、物語の始めに自分の家庭環境の話をしています。

　スバルは中学三年生にあがるタイミングで、茨木から東京に引っ越してきて、東京のおじいちゃんとおばあちゃんと兄と暮らしています。

　お母さんはスバルと兄を捨てて出て行き、お父さんは今再婚相手と暮らしています。

　東京に知り合いがおらずクラスに溶け込めず不登校になったと話しています。

　スバルは「みんなと比べると僕はただ怠け癖で行ってないようなもんで」と言いますが、夏休みに変化が訪れます。

　久しぶりに全員で集まったある日、突然スバルが茶髪になって現れます。

　脱色したのだといい、兄とその彼女の影響でピアスも強制させられたといいますが、その顔は何でもないというような表情で、誰もうまく反応できません。

かがみの孤城スバルの血とは？

　そして事件が起こります。

　アキがルールを破り孤城に居た6人は、みんな狼に食われてしまいます。その時孤城に居なかったこころだけが助かりました。

　こころは、このゲームのモチーフは「赤ずきん」ではなく「七ひきの子やぎ」で、×印は子ヤギたちが隠れた場所を示していることに気づきます。

　こころは狼に食べられてしまったスバルの墓標である×印に触れ、スバルの記憶を見ます。

　始めに流れるのは髪を脱色しているシーンです。

　｢お兄ちゃんの彼女の友達が初めてすると女は血が出るんだよ、と言っていた。あの子が血が出なかったのは、きっと初めてじゃなかったからだ｣と言います。

　この言葉の意味はスバルは背伸びをしたかったのだと思います。自分で髪を染め、ピアスをあけ、派手な兄に気に入られようとしていた。

　漫画には血がついたタオルのようなものが描かれており、これは「夏休みにピアスをあけたら枕に血がついた」と言っていたことから、血がついていたのは枕カバーだと思います。

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スバルだけ喜多嶋先生との出会いがない理由は？

　スバルの不登校の原因は学校が面白くなく、馴染めないだけと思っていたのですが、実はもっと深刻でした。

いつも怒鳴ってばかりのじいちゃんに対してばあちゃんの声はものすごく小さい、あと笑わない
じいちゃんは俺と兄ちゃんを問題児だって言うけど怒鳴りはするけど、何をするわけでもない
学校と話したりもしない、ただただ怒鳴るだけ
兄ちゃんはバイクを盗品、制服に入れている刺繍のお金はどうしたの？って聞くと、つまらない奴って背中を蹴られた。
あいつの弟だからって高校生にからまれて、ひと月しか通っていない学校では問題児扱い

かがみの孤城/原作 辻村深月/漫画 武富智/集英社

　「つまりは、僕のために必死になる人なんか誰もいない」というセリフがありますが、スバルのために必死になって戦ってくれる人は誰もいなかったのです。

　「かがみの孤城」の中で、喜多嶋先生は6人のために戦ってくれますが、スバルだけ喜多嶋先生に会うこともなく、自分のために戦ってくれる人もいません。何度も読み返したのですが、喜多嶋先生とスバルの接点を見つけることができませんでした。

　それは何故でしょうか？これは私の考察ですが、スバルはマサムネ・こころ・アキに出会って、自分の人生なんてどうでもいいと思っていたはずなのに、まだ何もしていない、何かをやりたいことに気づきます。

　スバルは、マサムネが持ってきたゲームを一緒にプレイすることでゲームに興味を持ち、定時制の工業高校に進学することを決め、東京都立南東京工業高校から合格通知も届いていました。自分のチカラで未来を切り開こうとしていたのです。

　スバルは叫びます「死にたくない！生きたい！！」

　スバルは必死で逃げて、狼と闘おうとします。自分の未来のために！

　しかし、オオカミさまとの約束通りスバルは狼に食べられます。

　6人の中で、狼に立ち向かっていたのはスバルだけでした。このシーンは胸が苦しくなり読んでいて涙が止まりませんでした。

スバルのその後、名前に隠された伏線は？

　マサムネがゲームの話をしている時に「ナガヒサ・ロクレンだよ！ゲーム会社ユニゾンの天才ディレクター」と苛立ったように言って、それをみんなが知らないというシーンがあります。

　しかし「ナガヒサ・ロクレン」の名前に、スバルが反応しました。

　スバルの本名は「長久 昴（ナガヒサ スバル）」

　この「昴」という名前について「父がくれたもので一番好きなのは、スバルというこの名前。昴。プレアデス星団。別名六連星」と言っています。

　そして、マサムネの不登校の原因は「このゲーム作ったの、俺の知り合い」と周囲に話してしまい、それが嘘とバレて「ホラマサ」と言われ仲間外れにされたことでした。

　その事実を知ったスバルが、マサムネに対してこう言います。

　「目指すよ今から“ゲーム作る人”マサムネが、このゲーム作ったのオレの友達って言えるように」

　「このゲーム作ったの、オレの友達」というマサムネの言葉をウソにしないために、スバルは約束を果たして、大人気ゲーム「ゲートワールド」を作る超有名クリエイターになりました。

「かがみの孤城」には、読み返せば読み返すほど「あぁ～ここが、こう繋がってたんだぁ！」と思わせるような伏線や気づきがたくさんあります。

　映画では時間の制約があり、原作の全ての要素を取り入れることが難しいため、他のキャラクターの詳細な描写はほとんどありません。

　しかし、小説や漫画では、登場人物の深い心理描写や、細かな感情の動きが書かれており、映画では分かりづらかった伏線の回収が手に取るようにわかります。

　このように読めば読むほど、新鮮な驚きに気づくことができる「かがみの孤城」をぜひ、読んでみて下さい。

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