かがみの孤城リオンとこころのその後オオカミ様の正体は？善処するの意味とは？

　かがみの孤城のオオカミさまの正体とは？かがみの孤城を作った目的とは？そして「善処する」の言葉の意味とは？かがみの孤城が閉城した後の記憶はあるのでしょうか？

　リオンの姉ミオがオオカミさまになるまでが映画では詳しく描かれていませんが、その映画では描かれていない過程が「かがみの孤城」の原作や漫画では、とても詳しく丁寧に描かれています。

　そこが、この原作や漫画の大きな見どころだと感じられますので、ぜひチェックしてみてください。映画で感動したというあなたなら、もっと感動すると思いますよ。

　この記事では、ミオの内面に焦点を当て、ミオが直面する心の問題と、それが「かがみの孤城」の物語にどのように組み込まれているのかを詳しく見て行きます。

かがみの孤城簡単なあらすじ

学校に居場所をなくし閉じこもっていた中学1年生の安西こころ。5月に入ったある日、突然光り始めた部屋の鏡をくぐり抜けると、そこには不思議な城があった。城に集められたのは、こころをを含む7人の中学生。案内人の“オオカミさま”によれば、城の中には「どんな願いも叶えられる“開かずの部屋”」があるという。ただし、願いを叶えられるのは、城のどこかにある“鍵”を見つけた1人だけ。

かがみの孤城/原作 辻村深月/漫画 武富智/集英社

⇩続きはこちらで紹介しています。

>>かがみの孤城あらすじを紹介

リオンが日本の学校に行けなかった理由とは？！

　物語の終盤、アキがルールを破ってしまい孤城にいた6人はオオカミに食われてしまいます。その時、孤城に居なかった、こころだけが助かりました。

　こころは、リオンを助けるために部屋の×印に触りリオンの記憶を見ます。

　理音（リオン）の姉、実生（ミオ）は幼稚園の時から病気で入退院を繰り返し、一度も学校に行けませんでした。

　でも、理音（リオン）が病院に行くと、実生（ミオ）はたくさん絵本を読んでくれました。リオンはそんな優しいミオのことが大好きでした。

　ミオは話を作るのが上手で「ロボットの話、お寺のアイスクリームの話、おばけの学校の話、そして鏡をくぐってお城に行ける話」たくさんの話をリオンに聞かせてくれました。

　でもお母さんは「お姉ちゃんにあまり絵本よんでもらっちゃ駄目よ疲れちゃうから。…特に七ひきの子やぎは実生が幼稚園で劇をやるはずだったのに…」「なぜ実生ばかり…」と、泣いてばかりいます。

　ミオがクリスマスにもらったドールハウスがあります、このドールハウスは「電気もつく」とリオンは興味津々です。でも水は出ません。

　そんなリオンにミオは言います。「もし、私がいなくなったら、神様に頼んでリオンのお願い事、何かひとつ叶えてもらうよ。いつも我慢させてごめんね。旅行にも行けなかったし、幼稚園の発表会も、運動会も」

　「じゃあ、オレ姉ちゃんと学校いきたい」「行けないよ、理音が小学校に入る頃は私、中学生だもん一緒の学校には行けないよ。でも、いいなぁ、私も理音と一緒に学校に行きたい」と言います。

　ところが、ミオの病状はますます悪くなり、小学校どころか中学校にも行けないくらい悪化しました。

　けれどもミオは学校に行くことをあきらめず週に一度勉強を始めます。

　勉強を教えてくれたのは“喜多嶋晶子先生”“アキ”でした。そしてミオが通うはずだった中学校は"雪科第五中学校”だということがわかりました。

　しかし、学校に行きたいと言う願いも虚しくミオは亡くなります。

　その後、お母さんはミオが亡くなった悲しみからか、ミオと正反対に健康に恵まれたリオンを遠ざけるようになります。

　なんの不安もなさそうに見えるリオンを見れば見るほど健康に恵まれず亡くなったミオのことが不憫に感じられ耐えられなくなったのかもしれません。お母さんはサッカーの才能があるリオンに、ハワイの学校に行くように促すのです。

　リオンは言葉も通じないし、怖いし本当はハワイには行きたくありませんでしたが、日本の中学校に行きたいと本心が言えずにハワイに行くことを決めます。

　ここでリオンの記憶は終わり、狼に食われてしまいます。

　しかし、こころが願いの部屋で「アキのルール違反を、なかったことにしてください」と願ったことで、6人は助かります。

オオカミ様の正体は？

　6人が「かがみの孤城」から現実世界に帰った後、リオンだけが残ってオオカミ様に話しかけます。

　「姉ちゃんなんだろ？最初に城に来た時から、もしかしたらって思ってた。三月三十日。三十一日じゃなくて、三月三十日。城が閉まるはずだった明日は、姉ちゃんの命日だ。ここに集まったのは、雪科第五中に行きたかったけど、行けなかった子供」

　なんとオオカミさまの正体はリオンの実姉ミオだったのです。

　ミオは病状で苦しむ中、最後の一年は眠ったように目を閉じていることが多かったとリオンは記憶していました。その一年というのは、リオンによると今この孤城で過ごした一年だったと言うのです。ミオは6歳のリオンと病室にいながら、その病室から「かがみの孤城」に来ていたのでした。

　かがみの孤城とは、かがみの孤城と、そこで繰り広げられる物語は病室に置かれたミオの大切なドールハウスでの物語だったのです。

　「私も行きたい、理音と一緒に学校に行きたい、行きたいよ！いきたいいきたいいきたい」と病室で叫ぶミオ、生まれてから一度も学校に行ったことがない。ミオは弟の想い、そして自分の想いを全身全霊で願い続けたのです。

　こんなに悲しくて切ない願いがあるでしょうか…。

　ミオは病気で学校に行けない、かたや他の7人は行こうと思えば行けるにもかかわらず不登校になっているのに、と対比されているように一見感じますし、そういった意味ではミオの悲劇性が際立ちます。

　でも、辻村さんが言いたいことは本当にそうなんでしょうか？私はそうじゃないように感じます。

　ミオがこの7人を集めたのは、学校に行きたいけれども行くことができない、という同じ想いを抱えた仲間を集めたかったのだと思います。

　病室が光に包まれているシーンがあり、ミオが「あなたは神様？それとも…」と言いますが、それとも…？

善処するの意味とは？リオンとこころの記憶は残ってる？

　「かがみの孤城」には‘’願いの部屋で願いを叶えた時点で7人はお城での記憶を失う‘’というルールがありました。

　ミオとの思い出が消えて欲しくないリオンは、最後にオオカミ様にお願いをします。

　「死なないでほしい、どこにもいかないでほしい、それから苦しまないでほしい、それから、ここで、皆と姉ちゃんと遊んだこと一生忘れたくない、忘れない！」と言います。

　それに対してオオカミさまは「善処する」と言います。

　「善処（ぜんしょ）する」とは「適切に処置すること」という意味ですが、この場合は「努力する」といった意味ではないでしょうか？その後、お城は閉まってしまいます。

　その後のシーンでは、こころが夢の中で同級生の女の子と話しています。

　「なに？声、小さくて聞こえないよ？」というこころに、その女の子は「リ・オ・ン」と口パクで教えています。

　この女の子こそ、リオンのお姉ちゃんミオなのです。生き返ることはできなかったけど、孤城の記憶をなくしたこころに、弟である「リオン」と出会うためのヒントを伝えたのでした。

　こうして孤城は閉じて現実の世界に戻ってしまいましたが、こころが孤城での生活で得た友達を助けた勇気、それにもう一つ、リオンとの出会いが、この後待っているのです。

　映画では時間の制約があり、原作の全ての要素を取り入れることが難しいため、他のキャラクターの詳細な描写はほとんどありません。

　しかし、小説や漫画では、登場人物の深い心理描写や、細かな感情の動きが書かれており、映画では分かりづらかった伏線の回収が手に取るようにわかります。

　このように読めば読むほど、新鮮な驚きに気づくことができる「かがみの孤城」をぜひ、読んでみて下さい。

　イーブックジャパンでは、6回使える70％OFFクーポンを配布中なので、さらにお得に読むことができます。

サービス名	特典	公式サイト
	試し読み無料	詳細を見る 登録無料
	かがみの孤城 小説2巻 上･下858円→358円	詳細を見る 登録無料
	かがみの孤城 漫画 1･2巻658円→197円 3･4･5巻679円→204円	詳細を見る 登録無料

Yahoo! JAPAN IDで簡単に購入できます。

　ぜひ、「かがみの孤城」をお得に読んでみてください！