PR

『D坂の殺人事件』のトリックを解き明かす!江戸川乱歩の名作解説

 江戸川乱歩の「D坂の殺人事件」は、日本の探偵小説の中でも特に巧妙なトリックを含んだ作品として知られています。

 この物語の中で、乱歩は読者を驚かせるために緻密なプロットと意表をつく展開を巧みに織り交ぜています。

 この作品を読み解くことで、乱歩がいかにして読者の注意を引きつけ、真相にたどり着くまでの興味を持続させたかが明らかになります。

 この記事では、『D坂の殺人事件』に隠されたトリックをわかりやすく解説し、その魅力を余すところなくお伝えします。

 ぜひ、最後までご覧ください!

小説「D坂の殺人事件」のあらすじ

「D坂の殺人事件」は、江戸川乱歩の名探偵明智小五郎が初登場する作品であり、東京のD坂を舞台に繰り広げられる謎めいた殺人事件を描いています。

物語は、語り手である「私」がD坂のカフェで冷たいコーヒーを飲んでいるところから始まります。近くの古本屋の女性店主が殺害され、その店の奥で遺体が発見されました。彼女は首を絞められて殺されており、店の奥の障子の格子が閉まるのを見た「私」は異変に気付きます。偶然、明智小五郎が通りかかり、二人は一緒に事件現場へと向かいます。

警察が到着し、調査が進む中で、明智は独自の推理を展開します。事件の鍵となるのは、古本屋の奥にあった電燈のスイッチに残された指紋です。明智は犯人がスイッチに指紋を残さないように細工し、意図的に発見者として警察に協力することで疑いを逃れようとしたことを見抜きます。

明智の鋭い洞察力と冷静な分析により、事件の真相が明らかになっていきます。犯人は古本屋の女性店主と幼馴染であり、過去の因縁から犯行に及んだことが判明します。最後に明智は、巧妙なトリックを見破り、真実を暴露することで事件を解決に導きます。

「D坂の殺人事件」は、古典的なミステリーの要素を持ちながらも、江戸川乱歩独特の不気味さと緻密な描写が光る作品です。明智小五郎の魅力的なキャラクターとともに、読者を引き込むストーリー展開が楽しめます。

「D坂の殺人事件」の巧妙なトリックとは?!

 物語の舞台はD坂という架空の場所で、主人公の「私」がカフェで友人の明智小五郎と談笑しているところから始まります。明智は探偵であり、常に鋭い観察力と論理的思考で事件を解決に導くキャラクターです。

 物語は、古本屋の女主人が殺害されるという事件を中心に展開します。

➀矛盾する証言

 物語の中で特に注目すべきは、犯人の着物の色に関する二人の学生の矛盾した証言です。一人は黒い着物を見たと言い、もう一人は白い着物を見たと証言します。この矛盾は、乱歩が読者を混乱させるための巧妙な手法であり、実際には犯人が白と黒の縞模様の着物を着ていたため、見る角度によって異なる色に見えたというトリックが隠されています。

➁指紋のトリック

 犯人が電灯のスイッチを操作した際に残された指紋の問題も巧妙です。警察は明智の指紋しか発見できなかったため、犯人が自分の指紋を隠すために意図的に操作したのではないかと疑います。しかし、実際には電球の故障によって一度切れた電灯が再び点灯したため、犯人の指紋が残らなかったという巧妙な仕掛けがありました。

③アリバイのトリック

 犯人は事件発生時、カフェにいたとされる明智が疑われることになりますが、彼のアリバイは完全ではありません。乱歩は読者に対して、明智が犯人である可能性を示唆しつつ、実際には彼が無実であることを巧みに示しています。明智自身が事件の発見者であり、警察の調査を監視しながらも自らの潔白を証明するために動く姿が描かれています。

 乱歩のトリックは、読者に対して常に疑念を抱かせ、物語の真相にたどり着くまでの興味を持続させる効果があります。矛盾する証言や指紋の問題、そして明智のアリバイといった要素が複雑に絡み合うことで、読者は真相を見つけるためにページをめくり続けることになります。さらに、明智というキャラクターの魅力が物語を引き立て、彼の推理と行動を追うことで読者はより深く物語に引き込まれていきます。

  • 文庫本294
  • Kindle0円(電子書籍)30日間無料お試し
  • Audible0円 30日間無料お試し
  • 漫画本0円(電子書籍)30日間無料お試し

 ここからは、文学作品をより効率的・効果的に味わうための2つの方法を紹介します。

名作を『漫画』で味わう方法

 あなたは「文学作品は活字で読むもの」と考えていませんか?

 でも、今の若いあなたには、活字よりも漫画を読むほうが、親しみやすいかもしれません。

 また、文学作品と言っても、著名な作品のタイトルは知っていても、内容を知らないこともあるかもしれません。

 そんな時は「漫画で読む」ことをオススメします!

 文学作品を漫画で読むメリットは、イラストがあるため難解な文学作品でもイメージしやすいことです。

 こちらは、あの有名な妖怪漫画家・水木しげるさんの絵に似ていますが、ドリヤス工場さんの漫画です。

 この漫画には『D坂の殺人事件』を含む25作品が収録されており、1作品あたり約10ページと非常にコンパクトです。文学に馴染みのない方でも読みやすく、親しみやすい絵柄で文学作品を楽しめる1冊となっています。

 漫画を読んで概要を掴んでから小説を読むと、すっと入り込めますよ!




無料で試し読みする


 こちらも、オススメです!




無料で試し読みする


読書が楽しくなる!もうひとつの方法とは?!

 「D坂の殺人事件」ですが、活字や漫画で読むこととは異なる、もうひとつの味わい方をご存じですか?

 それは、物語を「耳で聴く」というものです。

 まだ字が読めない幼い子どもたちにとって、耳からたくさんの豊かなことばを聴くことが、その子の将来によい影響をあたえることは、多くの学者が指摘しています。

 ゲームやアニメにかこまれた子どもたちに、いいお話を聞かせることは、豊かな心を育てることでもあるのです。

 私が初めて物語を「耳で聴く」というものを体験したのは、今から約20数年前の大学時代のこと。石川県金沢市にある「室生犀星記念館」で、ヘッドホンを使って、室生犀星の作品をナレーションで静かに聴いた時でした。

 普通、読書というのは「文字を目で読む」ことによって、目から入った文字情報をアタマの中で映像に変換してその内容を理解していくものです。

 しかし、ここで体験した文学を「耳で聴く」ことは、目を閉じてあたかも音楽を聴くような感覚で文学を楽しむことができる、本当に新鮮で衝撃的な体験でした。

 今で言うと「癒し」という感覚に近いと思います。目を閉じてリラックスした状態で良質な文学などの作品を味わうことができるため、作品の世界の中に驚くほど引き込まれます。

 しかし、残念なことに、当時はそのような「文学を耳で楽しむ」方法や媒体は、かなり高価な金額を出さないと体験できないものでした…。

 そして、現在。今ではオンラインで安価にそれを体験できる時代になっていることを私は知りました(驚)。

 オーディブルは、本を聴くための素晴らしいツールです。オーディブルには、さまざまなジャンルの本がそろっています。自分の興味に合った本を見つけることができます。


 そして、いつでもどこでも本を楽しむことができます。耳で聴くことで、目を休めながら物語に没入できます。

 さらに、聴き逃した部分やもう一度聴きたい部分を簡単に再生することができるので、物語の理解を深めるのに役立ちます。


 今なら30日間無料で聴くことができます。ぜひ、オーディブルを活用して、楽しくて充実した読書体験をしてみてください!




『D坂の殺人事件』のサンプルを聴く


-