ブラックジャック顔の皮膚（傷）髪が白い理由はなぜ？その生い立ちとは？！

　あのブラックジャックが、連載50周年記念を迎えて、高橋一生さん主演でドラマ化されます。

　私は中学生の時に父から「おもしろいから読んでみなさい」と薦められ、読んだのが始まりでした。

　ページをめくるたびに、そのリアルな描写や、初めて見聞きするような症例のエピソードがどんどん出てきて、漫画を読んだ時の何とも言えない凄みや暗い雰囲気に驚きました。今読んでも、やっぱり、深い作品ですよね…。

　ところで、ブラックジャックのトレードマークとも言える顔の傷...、髪が半分白い…これにはどんな物語が隠されているのでしょうか？

　彼の過去に何があったのか？そしてそれが彼の人生と医師としての道にどのように影響を与えてきたのか？

　今回は、その謎を解き明かしていきたいと思います。

ブラックジャックの顔に傷があるのはなぜ？

　ブラックジャックは、顔だけでなく全身傷だらけです。服を脱ぐと、腕にも脚にもいたるところに縫い目があります。

　ブラック・ジャックの顔の傷や体の傷は事故の時にできたものでした。

　ブラック・ジャックは幼い頃、母とともに不発弾の爆発に巻き込まれます。

　その事故はその地主が土地を早く売りたいがため、注意書きの立て札を早く回収するように業者に賄賂を渡していたというずさんな処理が原因でした。

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ブラックジャックはどうして高額請求する医者になったのか？

　事故で体がバラバラになったブラック・ジャックは奇跡的な手術と血の滲むような努力によりその体を取り戻します。

　この時手術をしてくれたのが、本間丈太郎医師です。

　この時の死に物狂いのリハビリの経験から、ブラック・ジャックは何が何でも生きようという意思のある患者かどうか、また家族にそういった強い決意があるかどうか、高額な手術料を請求して試すようになります。

　また、ブラック・ジャックはこの事故の経験から、医学はなんと素晴らしいものかと感銘を受け、医師を目指すようになります。

顔の一部の皮膚の色が違うのはなぜ？「友よいずこ」

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　顔の一部の皮膚の色が違うのは、手術の際に皮膚の移植が必要でしたが、適当な皮膚が手に入らず、見舞いに来ていたクラスの友達の中から、黒人とのハーフであるタカシ少年（他の友達は全員逃げてしまいました）の皮膚を移植したからです。

　タカシ少年が「クロちゃん」と言っているのは、ブラックジャックの本名が間黒男だからです。

　ブラックジャックは、その後すぐに引っ越して音信普通になってしまったタカシ少年を探し続けました。

　改めて礼を言い、顔の皮膚を再移植する前に了解を得るためです。しかしタカシ少年は自然保護運動に身を投じ、アフリカで反対派に殺害されました。

「タカシよ、これは君の形見になってしまったなあ。大事にとっとくぜ」というセリフがあります。それ以後ブラックジャックは「顔を整形しては？」と勧められても「大切な皮膚だから」と、きっぱり断るようになったそうです。

　この傷がなければ、ブラックジャックは今日のような医師にはなっていなかったかもしれません。苦難を乗り越えたからこそ、彼は人の命を救うために何ができるのか、その価値と重みを深く理解することができたのではないでしょうか。

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ブラック・ジャックの髪が白い理由は？「不発弾」

　ブラック・ジャックの母親はこの事故で両手足を失い、お腹に大きな穴が開き、何もできない人形のようになってしまいました。

　この時の恐怖からブラック・ジャックの髪は白くなってしまったのです。

　「だれをにくんだらいい？殺したいほどのいかりをだれにぶつけたらいい？不発弾をうちこんだアメリカ軍か？不発弾を掘り出さなかった作業班か？それとも危険という立てふだをはずしただれかか？」

　父親はその間に他に女性を作りマカオへ飛んでしまいます。母親はそんな父親を許しながらもそのまま死んでしまいます。

　この時の経験も後のブラック・ジャックに大きな影響を与えていて、ブラック・ジャックは母親を大事にしない家族や患者に対してとても厳しい態度をとるようになります。「私なら母親の命なら100億円でも安いと思う」といった発言もしています。

　その後、ブラック・ジャックは父親に憎しみを抱きつつ、不発弾の存在を知りながらそのまま放置した人間たちへの復讐を誓います。

　「母親の一生をめちゃくちゃにしたその犯人たちをつきとめて、きっとそれ以上の苦痛を与えてやる！」と。

　この後の復讐の様子は「不発弾」という話に描かれていますので、ぜひ読んでみてください。

　この作品は、ブラックジャックがどうして社会のルールや法律に従わないのか？なぜ高額な治療費を突きつけるのか？どのような人に対して厳しいのか？生と死、善と悪、愛と憎しみがわかる作品です。

　ブラックジャックを読んでいて思うのは、ブラックジャックのような、どんなに腕に自信のある医師でも、すべての人の命を救うことができる訳ではない、ということです。

本間医師の言葉「おこがましいとは思わんかね」

引用元　ブラック・ジャック1巻/第4話「ときには真珠のように」

　医療という技術を自由に使うブラックジャックですが、時折、深い自戒の念にさいなまれるようなエピソードもあります。その時に恩師である本間医師のこの言葉を、ブラックジャックは思い出すのです。

「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね」

　この、ブラックジャックに向けられた言葉は、手塚治虫さんからの、医療やロボット技術など、人類の進歩に関する警鐘のようにも感じられて、ゾクッとするほどの凄みを感じたものです。

　もし、ブラックジャックの原作を読んだことがない方は、ドラマだけでなく、ぜひ読んでみてください。手塚漫画の原点ともいえる「命」とは何か「愛」とは何か、きっとさまざまな気付きがあると思います。　

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　ぜひこの機会に、ブラックジャックをお得に読んでみてください！