今では廃版となったレゴ(LEGO)の小型ジェット機「エアショージェット(60177)」は、発売当時(2018年ごろ?)、とてもお得な単品飛行機でした。
しばしばレシプロ機は単品で出ていたと思いますが、ジェット機というのが新鮮で、風防や尾翼のパーツ取りの目的だけでも買いたくなるような、そんな魅力的な商品でした。
その価格の安さに魅かれて、実際のさまざまな飛行機の翼形を再現したいと思うようになり、廃版になる前に複数購入して、製作したものです。
①60177ほぼ通常版、②練習機版(複座に改造)、③カナード翼版、④V/STOL版、⑤可変翼版、まで行きました。
その後、過去の単品のレシプロ機「アクロバット飛行機(60144)」のパーツを活用して、⑥複座の初等練習機に改造してみました。
私の飛行機シリーズも、最後はパーツ不足となり、持ちパーツから飛行機に使えそうなパーツを工面しながら、⑦ドイツHe162風のジェット機、⑧Me163コメート風のロケット機まで行き、パーツが尽きて現在に至ります。
60177は、レゴ飛行機で価格帯の安い単品ジェット機は珍しく、基本のデザインも良かったため、想像力と創造力が喚起され、どのパターンもギリギリのパーツでやりくりしながら作りましたが、とても楽しい作業でした。
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レゴ飛行機作り方①60177ほぼ通常版
まずは、レゴ(LEGO)60177のほぼ素組みです。この60177は素組みでかなりフォルムの良い飛行機が完成します。
パーツだけ見ても、風防、水平尾翼・垂直尾翼、車輪、コーンのような特殊なパーツ、ミニフィグも入って当時1,100円ちょっとだったと思います。
改修した点は、2つです。
ひとつめは、風防にミニフィグの頭が干渉する点が気になった(若干風防が浮く)ので、手持ちのパーツからグレーの1/3パーツを探して、胴体をかさ上げしています。
ここが気になってしまったばかりに、あとのすべての翼形全部、同じ改修をすることになってしまいました(苦笑)。
ふたつめは、色のバランスも考えて、機首にアンテナ、航空灯と衝突防止灯を追加しました。
60177は「エアショー・ジェット」という商品名だと思いますが、よ~く見ると、照準器付いてますネ。
上から見た図です。
この60177「エアーショー・ジェット」は、同時期に発売された「エアーショー飛行場」セットの2機の飛行機(F-18風、ユーロファイタータイフーン風)に比べると、風防は同じ大きさですが、機体の全長と全幅、パーツの贅沢さ(笑)も含め、かなりコンパクトな単品飛行機です。
そんなこともあって、私の中では、この60177は「この小国で、ジェット機を運用、ふさわしい翼形を検討するために、開発したもの。
その小ささ、カタチから「ハチドリ」と呼ばれている」という設定にしています。
レゴの飛行機や船の良いところは、航空灯や航海灯(右舷に緑色、左舷に赤色)を必ず表現している点です。
こういう部分が、製品に本物っぽさを醸し出してくれるのだと思います。
このコードネーム「ハチドリ」の翼形がどのように変わっていくのでしょうか!?
では、引き続き、お付き合いください。
レゴ飛行機作り方②練習機版(複座に改造)
ほぼオリジナル版から、初めて製作したのが、この複座練習機です。
航空機を運用するには、やはり練習機が必要です。
練習機と言えばやっぱり複座です。
単座用の風防に2人を収めることができるのか、試される部分ですね。
でも、まさかここで、オリジナル版で改修した「ミニフィグの頭の干渉を解消する方法」が生きてくることになります。
オリジナル版と同様、胴体を1/3の高さをかさ上げしてます。
そのおかげで、1人分の風防に、2人の頭部がすっぽり収まっています。
後部座席のミニフィグは、ちょっとイイ感じのヘルメットをかぶっています。
こちらが教官の設定です。
ミニフィグの腕が壁に干渉しないためのL字型パーツは、複座にすると長さが足りないため、赤色のドアを使用していますが、これはパーツ不足のため、L字型パーツの予備が無いだけです(まさか戦闘機にドアで乗り降りはさせられませんよね)。
尾翼は、水平尾翼も垂直尾翼も同じパーツです。
前部座席の生徒パイロットと、後部座席の教官との間は、0ポッチです(苦笑)。
本物ではあり得ない密着感です。
この機体にも、照準器が付いてますね。
レゴ飛行機作り方③カナード翼版
次は、カナード翼です。
カナード翼は、主翼の前に前翼(カナード)を持つ設計で、エンテ型(先尾翼型)と言われ、その機体は、先尾翼機あるいはカナード機とも言われるそうです。
エンテ型というと旧日本海軍の「震電」がとても有名ですね。
ちなみに、エンテ (Ente) とはドイツ語で鴨のことで、鴨が飛ぶ姿に似ていることからこう呼ばれるのだそうです。
とはいえ、今回、私がイメージしたのは、レシプロ機の「震電」ではなく、航空自衛隊のT-2にルーツを持つ「T-2CCV」です。
この「T-2CCV」は、防衛庁技術研究本部(当時)が1978年(昭和53年)から1985年(昭和60年)にかけて、運動能力向上のためのCCV技術を得るため、T-2練習機をベースに開発した実験用航空機です。
1点モノですので、試作機や実験機が好きな飛行機好きのみなさんには、有名な機体だと思います。
この機体は、解体されることなく「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」に展示されています。
一点モノ好きの私も、機会を得て、現地で実物を見ることができて、とても嬉しかったです。
カナード翼が目立つように、主翼の付け根、前端位置を2ポッチ分後方に下げています。
カナード翼が目立つように(2回、言いました)、黒色の翼系プレートで、しかも横長のものを大胆に配置してみました(本当は、パーツが無くて、仕方なく黒にしています)。
なお、実物の「T-2CCV」にある胴体下の垂直カナード翼は、再現していません(脚が短いので地面に接触してしまうのです。ご容赦ください)。
取付位置も、空力学的な部分は一切わかりません(すみません)ので、見た目のバランスで、前翼・主翼・尾翼がバランスよく見えるようにだけ、気にして配置しました。
色が黒いので、前翼がよく目立ちますね。
結果オーライとしておきたいと思います。
カナード翼を取り付けただけで、他の部分は、オリジナルの機体とほとんど変更していません。
少しの変化で、全然違う飛行機に見えるのは、とても楽しい作業です。
レゴ飛行機作り方④V/STOL版
次は、V/STOL機です。日本語では「垂直/短距離離着陸機」、英語では「V/STOL(vertical/short take-off and landing aircraft)」というのだそうです。
モデルは、AV-8B(Harrier II)です。昔からハリアー戦闘機は、垂直離着陸機として有名でしたが、そんなにまじまじと見たことはありませんでした。
レゴ「CREATOR」31094の右下の口絵に、ハリアー風の飛行機が掲載されているのを目にして、「こんな風に作れたらいいなぁ」と思いながら、製作したものです。
この飛行機は、翼端に向けて下げ角となっているのが、見た目上の最大の特徴です。
この特徴を上下のヒンジ(カチッカチッと段階的に固定できる)パーツが2つあったので、再現しようと思いました。
いかがでしょうか。
特徴的な下がり翼が再現できていますでしょうか(個人的には、満足(笑)しています)。
横(ほぼ水平)から見たところ。
ハリアーは、私の中で攻撃機のイメージでしたので、翼下にちょっと物騒なモノをぶら下げさせていただいております。
斜め上から。ここからだと翼自体の傾斜はわかりにくいですね。
上から。改めて見ていると、実物のハリアー戦闘機と全く異なる部分があることに気づいてしまいました。
これ、カナード翼がついてますね。
うむむ。製作過程で、実物の写真を見ながら作った訳ではなかったので…。
当時、私の中でカナード翼が流行っていたので、何の疑問もなくつけてしまったのでしょう(イメージ優先ということで、ご勘弁ください)。
離陸や離艦の際に推力を得るための排気口のノズルを翼下に付けています。
両翼に計4か所あります。これも製作時には実物を見ておらず、イメージ先行で作っています。
でも、これがあると浮く感じがして、なんだか妄想力が駆り立てられます。
後部から。下げ角の翼がよくわかる一枚です。
右斜め後ろから。
この一枚も、下げ角の翼がよくわかる一枚です。
正面から。
武器もついていて、照準器もついており、とても物騒な印象の機体になりました。
お気に入りの角度から。
実戦を意識して、ヘルメットに星印の入ったパイロットが搭乗しています。
最後に、機体を少し浮かせて、排気口ノズルをアップしてみました。
このノズルが、この機体をV/STOLたらしめているのです。
ちなみに、うちの子ども(お兄ちゃん)は、私がいくつか作った機体のなかで、このV/STOL機が「いちばんカッコいい」と言っています。
レゴ飛行機作り方⑤可変翼版
最後は可変翼機です。
可変翼機と言えば、映画「トップガン」(古いほうです)に出てくるF-14が有名ですね。
1/3厚のヒンジパーツが左右各1組見つかったので、それを利用してみようと思います。
ちなみに、可変翼は、加速時には後退角を大きくして抵抗を減らして最大速度で飛行、旋回時には後退角を小さくし翼幅を広げて旋回半径を小さくしたりすることができる仕組みなのだそうです。
この可変翼機、私のF-14イメージに引きずられて、ついつい実戦機にしてしまいました。
パイロットもトップガンっぽいミニフィグが乗っていますね。
ちなみに「トップガン」とはアメリカの空軍士官学校の最優秀卒業生のことなのだそうです。
翼下にミサイルが付いています。このミサイルは、パーツ在庫が先行で、特にモデルはありません…が調べてみると、F-14が装備したフェニックスミサイルに見えなくもないです。
翼を閉じた状態です。
胴体から続くラインと閉じたときの翼端のラインと尾翼のラインの3つが揃い、機体全体で1枚の三角形になるように、見栄えに気を付けました。
翼をじわじわと広げてみましょう。
ヒンジの位置をおわかりいただけると思います。
翼を閉じた時点での左後方からの画像です。
翼を開いた状態です。
翼と胴体の間に濃いグレーのヒンジを組み込んでいます。
翼を開いてしまえば、意外と普通の飛行機ですね。
閉じた状態の後方からの画像です。
開いた状態の後方からの画像です。
閉じた状態の右後方からの画像です。
開いた状態の右後方からの画像です。
正面からの閉じた状態です。
正面からの開いた状態です。
F-14の可変翼は、翼を開いた状態と、閉じた状態とで、大きく印象が変わります。
レゴ飛行機作り方 ⑥複座の初等練習機
複座の初等練習機です。
レゴ(LEGO)の単品「アクロバット飛行機(60144)」の設計とパーツを基にしています。
私はレシプロ機であれば、本来WW2系を好むので、前輪付き3輪のレシプロ機というのは、あまりイメージがなかったのです。戦後の練習機は、前輪付きの3輪ですので、この練習機の元イメージは、T-6テキサン、海上自衛隊T-5、航空自衛隊T-7あたりかな、という感じです(広いココロでご覧いただければ幸いです)。
練習機よりも、派手な実戦機に目が行きがちでしたが、縁の下の力持ちも良いですね。
今日の後部座席は教官ではなく、部隊間の連絡用として飛行している、という設定でしょうか(笑)。
実際の自衛隊でも練習機をそういう連絡用として運用しているようですね。
わが家は慢性的なパーツ不足にあるため、二人の子どもとパーツの争奪戦になるので、翼形(斜めカットのパーツ集め)は、本当に苦労しました。
手元にあるだけのパーツでそれっぽく格好よくしたかったのですが、この練習機は、二式戦闘機「鍾馗」、P-51「マスタング」っぽい形に仕上がって、ちょっと気に入ってます。
小型ジェット機の例にもれず、前部座席と後部座席との間は、空間なしです。
この風防は楕円形で、小型ジェット機よりもさらにゆとりがないので、二人とも密着度がアップしていますね(笑)。
翼下に何かを取り付けるためのハードポイントが見えます。
光学照準器も取り付けられそう(!?)です。
そうこう言っているうちに、翼下に何か取り付けられました!対地攻撃用のロケット弾2門、M2(12.7mm)機関銃です。こちらは空戦にも使えそうです。
物資(パーツ)のないこの国では、練習機ですが、いざというときには実戦機としても使用できるような設定なのです。
レゴ飛行機作り方⑦ドイツHe162風のジェット機
さまざまな翼形に挑戦してきましたが、残りのパーツも限られてきたなかで、以前知り合いからお譲り頂いていたレゴ(LEGO)スターウォーズ「7141」のジェットエンジン風のパーツ(黄色)の使い道がなく、何か飛行機に転用できないかを考えていたところでした。
この存在感の大きな黄色のエンジン風パーツは2つあるので、当初はMe262を作ろうかとイメージしていましたが、このパーツ、存在感だけではなく実際にも大きく縦方向で3ブロック分あるので、とても翼下に吊り下げるのは無理であるため断念しました。
次に考えたのが、He162でした。実機の写真をご覧になったかたは、そのジェットエンジンの存在感と取付位置に驚かされたと思います(WW2末期のドイツの物資不足の反映でしょうが、私も初めて知った時に、こんな設計が成り立つのかと驚いた記憶があります)。
当時、わが家には、この黄色のスターウォーズ系とオレンジ色の飛行機のパーツがあったため、これをかき集めてなんとかカタチにしたものです。実機の写真と比較して、いかがでしょうか?
車輪のホイールパーツも同じ色のものがなく、色違い仕様です。物資(パーツ)不足は、どうしようもありません。
He162は、Me262と同様、ジェット戦闘機として使用されましたが、後退翼ではありません。その特徴は、レゴで作るときも再現しておきたいと思っていました。いかがでしょうか。
存在感のあるジェットエンジン。持て余していたスターウォーズのパーツを活用できて、私なりには満足しています。
左後方から。機体後部のパーツが脱落してますね、すみません。何かで補正しなければ。
手近のパーツで補正しました。この機体も、作って1年以上経つので、時折、パーツが脱落しているものが混じってしまったようです。すみません。
実機でもジェットエンジンの耐用(長期間の使用)は想定されていなかったようですが、妄想の世界では2つパーツがあるので交換できる仕様にしました。
ちなみに画像では見えませんが、このパイロットのミニフィグは「汗がタラタラ」と流れている顔です。機体にもジェットエンジンにも、信頼性が低いという悲しげな設定なのです…。
レゴ飛行機作り方⑧Me163コメート風のロケット機
慢性的な飛行機パーツの不足に悩まされておりますが、He162風まで製作した時点で、風防と尾翼と翼と船底のパーツが残っており(車輪もなくなりました)、何かできないかなぁ、と最後に考え付いたのが、Me163でした。
こんな感じに仕上がりました。全体的に漂う貧しい感は否めませんが、限られたパーツで、よくできたと思います(涙)。
特に気をつかったのは、Me163の後退翼をどう取り付けるかでした。通常の直線翼のパーツ(画像のオレンジ色のパーツ)を取り付け位置時点で斜めに付けることで、斜めに固定しました。
上から見ると、後退翼の表現は、やはり若干無理がある気もします(が、私の腕ではこれが限界です)。
斜め後ろからは、なかなか実機に近い印象ですね。
ロケットエンジン部分は、本当にあり合わせのパーツひとつでの表現しただけですが、結構、実機っぽさが出てますね。
実機に装備されている発電用のプロペラは、パラボラアンテナ風のパーツで表現しました。胴体と翼の付け根に、実機同様、凶悪な感じの機関砲が装備されています。
このMe163風とHe162風の機体は、隣国の敵性国という設定なのですが、あとあとよく見たら、He162風の機体には機関砲を付けることを忘れていました。まぁ、平和がいちばんなので、そのままにしておこうと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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