すずめの戸締まり鍵を閉める時のセリフと最後に草太が唱えた長い呪文全文

　すずめの戸締まりで、草太が鍵を閉める時に言うセリフにはどんな意味があるのでしょうか？

　実は、鍵を閉める際に唱えられるセリフには、深い教訓と日本人の精神性が込められています。

　しかし、この言葉が持つ意味や由来を詳しく知っている人は意外と少ないのではないでしょうか？

　今回は、その言葉に秘められた意味を解き明かし、古き良き日本の知恵と文化に触れてみたいと思います。

　すずめの戸締まりを、もっと深く理解する手がかりになれば幸いです。

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草太が言うかしこみもうすの意味とは？

　すずめの戸締まりで閉じ師である草太が唱えていたのは祝詞（のりと）だと考えられます。

　祝詞（のりと）は、神道における祭礼や儀式の際に、神々に向けて奏上（そうじょう）される言葉です。

　その内容は、神々への感謝の表明、願い事の伝達、豊穣や平和を求める祈りなど多岐にわたります。形式的には、古典的な文語で書かれ、特定のリズムや節回しを持って朗読されることが一般的です。

　祝詞は、神社での祭事はもちろん、結婚式や建築の起工式など、さまざまな場面で用いられることがあります。

　では、草太のセリフを見て行きましょう。

　次に、草太のセリフ一つ一つの句を分解して意味を見て行きましょう。

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「かけまくもかしこき日不見（ひみず）の神よ」

　「かけまくもかしこき」は、「非常に尊い、尊敬すべき」という意味です。「日不見の神」とは、直訳すると「日を見ない神」、つまり目に見えない、神秘的な存在の神を指します。全体で「非常に尊く、目には見えない神様よ」という意味になります。

「遠（とお）つ御祖（おみや）の産土（うぶすな）よ」

　「遠つ御祖の産土」とは、遠い昔、ご先祖様が生まれた土地、つまりルーツや故郷を指します。「遠つ」は「遠い」の意味。「おみや」は尊敬語で祖先を意味する言葉です。「よ」は呼びかけの助詞です。したがって、「遠い祖先の生まれた土地よ」という意味です。

「久（ひさ）しく拝領（はいりょう）つかまつったこの山河（やまかわ）」

　「久しく拝領つかまつった」は「長い間、お預かりしていた」という意味です。「山河」は、その土地の自然、山や川を指します。全体で、「長い間、お預かりしていたこの土地の自然」という意味になります。

「かしこみかしこみ、謹（つつし）んで」

　「かしこみかしこみ」は、非常に丁寧に、敬意を表しての意味。「謹んで」は「慎んで」とも読み、ここでは敬意を表す言葉として用います。全体で、「非常に敬意を込めて、慎んで」という意味です。

「お返（かえ）し申（もう）す」

　「お返し申す」は、「返す」という意味の尊敬語で、「何かをお返しする」という意味です。ここでは、長い間預かっていた土地や神々への感謝を表し、その恩恵を返そうとする意志を表現しています。

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草太のセリフの現代語訳

　草太のセリフを簡単に現代語に訳してみました。

　この祝詞を読むと、日本の自然や先祖に対する大きな感謝の気持ちがすごく伝わってきます。

　昔の人たちは、山や川、見えない力を持つ神様たちがいつも守ってくれていると感じて、そのおかげで生活できていると考えていました。だから、このように感謝の気持ちを込めたお祈りをして、神様や自然、先祖に「ありがとう」と伝えていたのですね。

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最後の焼け野原で白い獣に草太が唱えた長い呪文とは？

　物語の最後、草太は焼け野原で白い獣に長い呪文を唱えますね。その意味も見てみましょう。

草太のセリフの現代語訳

　この後、サダイジンは要石の姿に戻り、サダイジンは草太の手に、ダイジンは鈴芽の手に。2人は要石を振り上げ「お返しします！」と叫びながら、ミミズの体に振り下ろします。

　「命がかりそめだと～」の言葉には人の命がとても短いこと、そしていつでも終わりが来るかもしれないことをわかっているけれど、それでもみんながもっと長生きしたいと願っている気持ちを表しています。

　最後に出てくる「猛き大大神よ！どうかお頼の申します。」は、非常に強く偉大な神様に、生きる時間をもう少し与えてほしいとお願いしています。

　この文章は、命のはかなさを知りながらも、もっと生きたいと願う人の心と、その願いを神様に託しています。

　すずめの戸締まりを読んで、すずめたちの扉を閉める行為には、災いを鎮め、その土地を本来の持ち主に返すという意味だけではなく、いまの日本において問題になっている少子化や、過疎化・限界集落などの問題が顕著に表れている気がしました。

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読めば読むほど、深さが感じられる「すずめの戸締まり」。

　新海誠監督も「映画を見て、小説も読んでもらったら、読んでない状態と比べて2倍も3倍も楽しんでもらえる！」と、コメントしているほどです（笑）。

　ちなみに、小説版「すずめの戸締まり」はオリコン週間文庫ランキング初登場1位を獲得し、実際に大きな話題となりました。監督のコメントの効果は凄いですね。

　そんな私も読んでみましたが、小説では映画で聞き取れなかったセリフや、ダイジンの役割やすずめの感情をより深く知ることができました。子どもでも理解できるように、読みやすい文章で書かれています。

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