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天神ビッグバンの完成予想図は?!旧福ビル・天神コア・ビブレ・イムズ何ができる?

天神1丁目地区。福岡三越付近から旧福ビル・天神コア・ビブレ・イムズ方向を見る。どんどんビルが建て替わっています。

 福岡市の商業の中心といえば、天神と博多です。この2大商業地域の多くのビルが建て替わっているのはご存じですか?

 特に天神では、天神の中心である「天神1丁目交差点」の南側のランドマークであった福ビル・天神コア・ビブレ・イムズは再開発により跡形もなく、急ピッチで新しいビルが建築されています。その他にも天神地区ではさまざまなビルの建て替えが進んでいます。

 この再開発は福岡市の「天神ビッグバン」という事業によるものですが、何といってもその目玉は、航空法によるビルの高さ制限の緩和を国に特例承認してもらうことで利益率の高いビルを建てられるように環境を整備し、民間企業による建て替えを後押ししている点にあると思います。

 それでは、福岡市天神を大きく変える原動力となっている「天神ビッグバン」と、それによる建設ラッシュに沸く天神の今の様子、完成予想図を見てみましょう!

天神ビッグバン|ビルの高さ制限を超えろ!

出所:福岡市HP 天神ビックバン関連資料「航空法による⾼さ制限に関する資料」

 福岡市は、全国の都市でも空港と中心都市が地下鉄で数駅、10分足らずという極めてアクセスが良いことで有名です。

 しかし、実は、この便利さと引き換えに、今まで福岡市最大の商業地域である天神地区や博多地区の商業ビルなどの建築物は、福岡空港を離発着する航空機が安全に飛行できるための「航空法の高さ制限」を受けているため、他の大都市で見られるような15階、20階、30階建てといった高層建築物を建てることができない、という問題を抱えていました。

 ビルを賃貸することによって利益を得ようとする地権者や開発会社にとっては、できるだけひとつのビルに貸せるスペースを増やしたいものです。

 限られた土地で賃貸スペースを多く作りたいならば、建物を上に上に伸ばし高層化すればそれだけ賃貸スペースを増やすことができる訳です。

 しかし、福岡ではビルの高さ制限があることによってビルの高層化ができないので、建築から数十年を経て古くなりつつある商業ビルやオフィスビルを建て替えようとする意欲が地権者や開発会社に湧かない…そんな悪循環が起こりつつありました。

 そこで、福岡市は都市としての新陳代謝を促進するために、福岡市最大の中心地である天神地区の航空法の高さ制限緩和の特例承認を国に求め、さらに市としてビルの建て替えによる優遇措置を含めた一連の施策を「天神ビッグバン」と称して推進。

 この施策によって、地権者や開発会社のビルの建て替えに対する意欲が喚起され、今まさに、天神地区の古いビル群の建て替えが進んでいる、そういう状態なのです!

天神ビックバン完成予想図どこのビルが建て替わる?

 さて、その天神ビッグバンですが、具体的にどのような建て替えのプロジェクトが進んでいるのか、ざっくり見てみましょう。

出所:福岡市HP 天神ビックバン関連資料「天神ビッグバンの主なプロジェクト」   

 天神ビッグバン対象地区は、天神の中心である「天神1丁目交差点から半径約500m」となっています。この地区では、従来はビルの高さが地上14~15階程度が上限でしたが、高さ制限緩和の特例承認によって、地上18~21階での建設ができるようになっています。

 この高さ制限緩和の特例承認の興味深いところは、高さの制限(上限)が、天神地区全体で一括に決められるのではなく、建て替え対象のビルが建てられる「街区ごと」などで個別に高さの上限が承認されている点です。

 これにより、同じ天神地区でも街区によって特例承認されて建設されるビルの高さが異なるという結果になるのです。

 単純に言えば、今後建て替えられるビルは、今までのビルよりは高いけど、福岡空港から遠いほうがより高層のビルを建てられて、福岡空港に近くなるにつれてより低層のビルしか建てられないということになります。

 2023年6月に旧大名小学校跡地にオープンした「ザ・リッツ・カールトン福岡」(福岡大名ガーデンシティ)は、天神、いや福岡全体でも珍しい「25階建て」で話題になりましたが、おそらく今後、それよりも東側に建つビルは25階建てよりは低くなるのだろうと思います。

 まぁ、そういう細かいことは抜きにしても、福岡市が天神の再発展の願いを込めた「天神ビッグバン」による航空法の特例承認により、天神にたくさんの高層ビルが建つことは、地域経済の発展にとっても、大いに期待できることなのです!

 福岡の中心部の商業ビルは、東京・名古屋・大阪など他の大都市と比較して低層建てだったので、あまり見上げるような高層ビルはありませんでしたが、これからは「わぁ」と思うようなビルがいくつもできると思うと、とてもワクワクしますね。

 福岡市によると、現在(2023年3月現在)、天神地区で63棟の建て替え申請があり52棟が竣工しているとのこと。それぞれ建設時期が異なるので同時に完成する訳ではありませんが、大規模なプロジェクトやビルは2026年までには完成する予定のようです。

 その頃には、新しい天神の姿を目にすることができると思いますが…。それまで待てずに気が早く、しかも足で現地を見に行きたいのが、私たち、ぷにぷにかぞくのモットー(苦笑)。

 今回は、天神ビッグバンのなかで、2024年完成予定の旧福ビル・天神コア・ビブレ、2026年完成予定の旧イムズ付近を歩いて撮影してきました!

旧福ビル・天神コア・ビブレ・イムズ[天神1丁目]の今の様子は?[2023年10月]

地図:左上が天神の中心「天神」交差点。その南東の住居表示が「天神1丁目」で、各街区番号が振られています。
   地図上の①から⑩は、以下の画像の①から⑩に対応しています。矢印は画像の方角を表しています。

画像①

 天神南にある福岡三越付近から、天神の中心を南北に走る渡辺通に沿って、北東方向を見た画像です。

 手前の地表からクレーンが立っているのが旧イムズ。1棟だけ残った愛眼ビルの奥が、旧天神コア、ビブレ。そのさらに奥に旧福ビルがありました。

 あの黄金色で中央に大きな吹き抜けのあったイムズは、跡形もありません。

 「愛眼ビル」は、何かに意固地になっているかのように、このビッグバンの波には乗るつもりがないようです。

画像②

 旧天神コア・ビブレ・福ビルの区画です。この区画はビッグバンのプロジェクトでは「福ビル街区」と呼ばれているようですので、そう呼ぶことにしましょう。

 この福ビル街区の新ビルも、2023年4月頃には全く建ち上がっていませんでしたが、ほんの数か月で、10数階建てまで建ち上がっています。建設工事の技術には目を見張るものがあります。

画像③

 福ビル街区の新ビルを渡辺通の対面、パルコ側から見てみます。今までの天神では無かった、首をググっと上に向けて見上げないと、ビルの全貌が見えない高さです。

 ここは、旧福ビル、旧天神コア、旧ビブレがあった街区で、今は旧3つのビルをひとつにまとめた「福ビル街区建て替えプロジェクト」として、建て替え工事が進行中です。

 福ビルと言えば、西日本鉄道株式会社の本社があったビルであり、天神のシンボルのひとつだった場所です。建て替え後のビルは地上19階建てになる予定で、ホテル、オフィスのほか以前と同様、商業施設フロアも設置され、2025年春のオープンが予定されています。新ビルもその長い歴史にふさわしい立派なものになって欲しいと思います。

 ・参考 福ビル街区建て替えプロジェクト「創造交差点」[西日本鉄道グループHP]

画像④

 福ビル街区と天神愛眼ビルの間の道「福博であい通り」(初めて通りの名前を知りました…)を抜けて、福岡市役所方面に歩いて小さな交差点「福岡市役所西交差点」から北側を見たものです。

 画像④の道は、旧ビブレと旧ジュンク堂が入居していたビル(ビル名は知りません。すみません)の間を南北に走る道「因幡町通り」です。

 画像の右側のビルは「天神ビジネスセンタービル」(オフィスビル)として2021年に完成しています。メインストリートである明治通り側が正面になっており、ちょっと驚くようなガラス張りを基調とした地上19階建ての現代的な外見のビルに仕上がっています。

 「天神ビジネスセンタービル」の地下2階には、飲食店が11店入居するレストラン街「天神イナチカ」がありますが、この「イナ」は因幡町通りに地下にあるという理由で付けられたのだそうです。その土地の歴史を尊重し、名前として使っていく姿勢は素晴らしいと思います。

 ・参考 天神ビジネスセンター公式ページ[福岡地所株式会社]

 画像右側の手前の工事区画は、旧ジュンク堂が入居していたビルがあったところで、ここは福岡地所株式会社等を事業主として「天神ビジネスセンター第2期計画」プロジェクトとして建て替えが進行中で、地上17階建てのビルが2026年6月の竣工をめざして建設されています。

 ・参考 天神ビジネスセンター2期計画(出所:福岡市ホームページ)

画像⑤ 「福ビル街区建て替えプロジェクト」の新福ビル。地上19階建て。

画像⑥ 2021年にオープン済の「天神ビジネスセンタービル」の裏側(19階建て)。手前が「天神ビジネスセンター第2期計画」(17階建て)の工事区画。

画像⑦ 新福ビル、「天神ビジネスセンター」、「天神ビジネスセンター第2期計画」をまとめて。高層ビルが増えるのは、同時に空が狭くなるということであることを実感させる一枚ですね。

画像⑧

 今までは「福岡市役所西側交差点」から北側を見ていましたが、ここから南側に振り返ってみましょう。

 更地になった旧イムズと奥に福岡市役所が見えています。

 フェンスがあって工事の状況がよく見えないので、実は福岡市役所の展望フロアに上がろうと思ったのですが、展望フロアが工事中で見渡すことはできませんでした(涙)。

画像⑨ 福岡三越から旧イムズを見る。2階建ての工事事務所の奥に空洞が見えますが、この穴に見覚えがありませんか?

 福岡市役所の展望フロアからの見学を断念して、今度は福岡市役所の反対側、福岡三越側から旧イムズの工事の様子をのぞいてみようと思います。

 あの存在感抜群だった黄金色のビル(1989年4月開業。バブルの絶頂期で、福岡でアジア太平洋博覧会「よかとピア」が開催された年ですね)は解体されて、すっかり更地になっています。当時は同系色でマッチしていた「愛眼ビル」も、取り残されたように見えて、今は違和感が目立ちます。

 旧イムズの区画は、愛眼ビルはそのままに「天神1-7計画」プロジェクトが進行中であり、三菱地所株式会社を事業主として、地上20階建てのビルが2026年3月の竣工をめざして建設されています。

 ・参考 天神1-7計画(出所:福岡市ホームページ)

 ちなみに、「天神1-7」って何だろうと思っていたのですが、地図を眺めていて単純に「天神1丁目の7番街区」という意味だということに気付きました。マメ知識としてどうぞ。

 ところで、旧イムズに行ったことがある方はご存じだと思いますが、イムズと言えば、その黄金色の外観だけでなく、地下から上層階まで続いていた「吹き抜け」が特徴的だったと思います。

 今回、工事現場を見学していて、そのイムズをイムズたらしめていた痕跡を発見することができました。それが、下の画像⑩。

画像⑩ 更地になったはずのイムズにポッカリ穴が…。

 「あれ?すでに新ビルの地下の工事が始まっているのかな?」と一瞬思ったのですが、よく見るとあの菱形の穴はもしかしたら…。

 そう、これはおそらくイムズにあったあの「吹き抜け」の痕跡に間違いないと思います。

 冒頭に引用したYahoo地図でも、まだ確認できるのですが、そこには旧イムズの地下まで続く菱形の「吹き抜け」が図示されています。

 それは、今目の前にある穴の形にぴったり一致するではありませんか!建物の上屋を解体されて更地になってなお、天神の街に痕跡として存在感を示すイムズの「吹き抜け」。発見できてちょっと幸せな気持ちになりました。

まとめ|天神ビッグバンは期待しかない!

天神の街は「天神ビッグバン」でビルの建て替えラッシュ。外国人観光客も戻ってきて、お昼時は「昼ごはん難民」になりがちですが、一時の不便だと思って、我慢します!

 今回は、福岡最大の繁華街「天神」で進行中の「天神ビッグバン」について、そしてその進捗状況について、実際に歩いて調べてみました。

 どんどん新しくなっていく天神の街は、まさに「ビッグバン」。

 何もしなければ何も変わらなかったこの街を「次の時代のために新しく作り変えて行こう」と思い、民間事業所の投資意欲を喚起し、この事業を進めている福岡市には敬意を表したいと思います。

 今回、「天神ビッグバン」調査するにつれて、もうひとつの福岡市の巨大プロジェクトである「博多コネクティッド」についても、だんだん興味が出てきましたが、それはまた次回にしたいと思います。

 ぷにぷにかぞくでは、これからも「天神ビッグバン」の進展を見守りながら、自分の目で足で確認をして楽しんで行きたいと思います。

 ぜひ、チェックしていただけたら幸いです!

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参考にしたサイト

○福岡市ホームページ「天神ビッグバン

○福岡市ホームページ「天神ビッグバン関連資料」航空法高さ制限の特例承認など

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