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春日神社(福岡県)の歴史がすごかった!

 福岡県春日市にある春日神社に行ってみました。

 春日市の市の名前の由来になったと言われていて、以前から気になっていたんですがちょうど、近くを通ったので寄ってみることにしました。下調べをしていないままの訪問ですので、なんとなくの知識しかない状態です。 

 春日神社といえば奈良の春日大社が有名ですがやっぱりそこと関係があるのでしょうか。ちょっとその辺りも気になるところです。

 奈良の春日大社は古くから藤原氏の氏神であることが知られていますが、春日市の春日神社も何か関係があるのでしょうか。そんな疑問をぼんやり浮かべながら初めて訪れてみました。ドキドキ感が高まります。

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春日神社の入口は?駐車場は?

 車通りの多い県道進んで行くと道沿いにあることは知っていましたが駐車場はあるかなぁ、なんて話をしていたら、やっぱり行き過ぎてしまいました。引き返してよくみると、駐車場への看板が立っていました。

 春日公園側から県道17号線(通称「5号線」)向きに進んでいると、左手に五重塔が見えて、おおっと驚いていると、通り過ぎてしまいます。その五重塔のあるお寺と道を挟んだ反対側が、春日神社です。鳥居の前を通り過ぎて、現代的建築の公民館を右に入ることができます。とても小さいですが、駐車場入口との表示があります。

 道を進んでいくと公民館の裏手に駐車場があります。結構広く取ってあります。約20台分ありました。

水盤舎の藤の花

 石畳も鳥居も白っぽくて新しく見えますし、水盤舎も小さいですが屋根が大きく立派です。
 手入れが行き届いた感じがしますね。何だかワクワク感が高まります。


 水盤でお清めをしようとすると、おおっ!?と、すぐに目に入ったのが藤の花です。
薄紫色の藤の花が下がっています。

 折り紙で作ってあるようで、社務所の細やかな配慮がわかります。時折吹く風に揺れる姿は、まるで本物の藤の花のようです。
 しかし、藤の花とは、藤原氏とのゆかりを連想させますね。ちなみに、柄杓はコロナ対策で撤去されているので、手を伸ばして手を清める必要があります。うちの子にはちょっと距離が遠かったので、抱っこして手を伸ばさせました。


 では、いよいよ随身門です。破風や鬼板の部分の金箔が、見る者の気持ちを引き締めるような期待感を持たせてくれます。


 

門をくぐろうとすると、あっ!先ほどの水盤舎と同じく、門にも飾り付けがしてあります。左側は、秋らしい紅葉のようです。頭上は、鮮やかな三色で、鞠が飾られています。

いよいよ、拝殿へ

 いよいよ、拝殿です。後ろの森が荘厳さを強めてくれます。
 では、参拝。子どもには、賽銭箱が遠く、大人が手を伸ばしてやっと届きました。二礼二拍、家内安全、健康長寿をお祈りして、一礼。大仕事を終えたような清々しさです。
 ちなみに、向拝の軒下に鈴が並んでいましたが、コロナ対策で鈴を鳴らす緒が外されていました。子どもたちは残念そうでしたが、気を取り直して、社務所に行ってみましょう。


 

 お守り、お札が並べてあります。夕方に参詣したのですが、まだ開いていました。子どもたちは、さっそくおみくじを引きたいと言っていますが…おや?見慣れないものを見つけました。


厄割り玉

 厄割り玉?!うずらの卵のような大きさの陶器に「厄」と書いてあります。これをどうするのかと思って、拝殿の奥を見てみると…。


厄割り石

 ありました!厄割り石。この石に先ほどの厄割り玉を投げて割ることで、厄を無くしてしまおう、そういう儀式のようです。とてもユニークな儀式ですね。
 そういえば、こういう祈願者に行動させる手法で、太宰府の竈門神社の「愛敬の岩」と「水鏡」を思い出しました。神さまの前で試されているような気持ちになって、結構ドキドキします。興味のある方は、ぜひ行ってみてください。

鬼瓦の家紋

 拝殿の横にある厄割り石の場所から、さらに奥に進むと、鬼瓦が置いてありました。
 あっ、やっぱり藤の紋!藤原氏の家紋です。この場所からちょうど拝殿を振り返ると本殿があり、その屋根の上の鬼板にも藤の紋が!なんだか、ひとりで盛り上がってきました。

鬼板にも藤の紋

本殿の奥には

 さらに奥に進むと、なにやら目隠しをされた建物が。神社の拝殿や本殿の後ろには、末社が置かれていることがあるので、そういうものかと思いながら近づいたら…


 あっ!末社じゃない!よく見ると、過去の改築前の装飾や奉納された絵が飾ってあります。
 想像していたものと全然違って、とても驚きました。しかし、日光で色が褪せないように、手前に日除けを立ててあったのです。その配慮と先人たちへの敬意が感じられて感動しました。


 本殿の裏を回って、車のお祓い所もありました。さらに、境内には、奥に薬師堂もありました。誰もいない小さな薬師堂の中には、ぴんと張り詰めた身が引き締まるような、そんな空気が漂っていました。


 参拝も終えて、門をくぐり階段を降りて、水盤舎と鳥居のところまで戻り、いよいよ本来のスタート地点であるべきの参道に向かいます。すると、五重塔が見えます。気になりますね。

境内の楠(くすのき)



五重塔も気になりますが、鳥居のそばに立っている幹の大きな木、気になってしかたがありません。幹に比べて枝ぶりが小さく、過去に太い枝がかなりカットされたのだと思います。もし、カットされなければ、「となりのトトロ」に出てくる木のように圧倒される大きさの楠だったかもしれません。

いざ、参道へ

 車に気を付けながら、県道を渡って、神社の本来の入口に到着。しかし、振り返ると…まだまだ参道が見えています。もう少し、戻ってみたい気持ちに…


 先ほどの鳥居から、参道をさかのぼると神社の境内だったのであろう橋と池があります。このあたりが本来のスタート地点というべきでしょうか。ちなみに、この地点から、参道を振り返ると下の写真のような風景です。


 幅といい、雰囲気といい、現代に作られた道とは違う古道の雰囲気が漂っています。ひとりだったら、もっとさかのぼって歩いてみたい。


 古の参詣者の気分に浸りながら、改めて、一の鳥居へ。


驚きの由緒書き!

 ようやく由緒書きをゆっくり見ることができました。どれどれ…えっ、768年!奈良時代じゃないか!その古さに思わず驚嘆です。藤原氏のゆかりのことも、答えが書いてあったのですが、そりゃ春日神社という名前だし、藤の花だし、「下り藤」の紋だし、そりゃそうだろって簡単な問題だったかのように、さらりと記載されています。それにしても、創建の古さに驚いてしまいました。

 ちなみに、奈良の春日大社(藤原氏の氏神)のホームページによると、奈良の春日大社の創建は768年であり、全国に3000社ある春日神社の総本山なのだそうです。

 しかし、由緒書きにある天智天皇(中大兄皇子)のエピソードが、春日神社の創建記事に先だって言い伝えとして記載されている点が気になります。こういうところが、歴史のミステリーですね。

歴史好き必携!私は神社仏閣、城郭を見て回る時には、ポケットに忍ばせています(新書サイズ)。オススメです。歴史教科書・用語集・資料集で有名な山川出版社の「図解文化財の見方」。建築や仏像を絵で解説してあるので、実物と見比べることができ、本当に勉強になります。

お役立ち情報

バスで行く方法

では、行き方のご案内です。冒頭の写真にもバス停が見えていますが、西鉄バスで西鉄春日原駅から来ることができます。


駐車場情報

駐車場には、自動販売機もありますので、夏の暑い日でも冬の寒い日でも安心ですね。


トイレ

駐車場には、公民館の外側向きに公衆トイレが設置されています。子どもが急におトイレに行きたくなったとしても安心です。
みなさんも、訪れてみてはいかがでしょうか。[2021年9月訪問]

地図

参考になるサイト

春日大社(奈良県)ホームページ ※全国およそ3000社の春日神社の総本社

宝満宮竈門神社(福岡県太宰府市)ホームページ

最後までご覧いただきありがとうございました。

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